たまには福祉の話、してみるか…。
皆さん、こんにちは。
今日も暑いですねぇ~ι(´Д`υ)アツィー
さて、現在私は「就労継続支援A型事業所」という障がい者の就労支援施設で
生活支援員として働いています。
いつものブログ記事と違い、専門用語のオンパレードですが
言ってることは普段と大して変わらないので、お茶でも飲みながら
ゆるーく読んでもらえるとありがたいです(;^ω^)
◆就労支援施設ってどんなところ?
「就労支援施設」ときいて、皆さんはどんなイメージを持たれますか?
「一般企業で働くのが難しい人が、訓練をしているところ」
「会社で働くよりも安いお金で、簡単な作業をしているところ」
「福祉の支援を受けながら仕事をするところ」
人それぞれに、いろんなイメージがあるかと思います。
私もかつて、就労支援施設でサポートを受けながら一般就労を目指した経験もあり
こんなイメージを持ちながら、施設に通っていたこともあります。
私が通っていたところは「就労継続支援A型事業所」という形態で、
基本的には「事業所と雇用契約を結び(雇用保険に入る)、最低賃金が給料として支払わられる」というのが、大きな特徴です。
今は法律も改正され、労働時間も多少は長くなってますが
私が通っていた頃は、雇用保険の関係で1日4時間勤務という決まりもありました。
ちょうど抑うつ状態がマックスだった時期と、前の会社が倒産した関係で
支払われていた失業給付の支給期間が終わってしまうこともあり、
一般就労へのステップアップとリハビリを兼ね、A型事業所の利用を決めました。
多分、こういう気持ちで施設を利用されている方が大半かと思います。
そのほかにも…
「一般就労は自分にとっては難しいので、支援を受けながらマイペースで頑張れるところを目指したい」と考えてる方や、
「家と病院以外の居場所が欲しいけど、地活やデイケアはちょっと合わないなぁ…」
と考えてる方もいるかな~と思っています。
まあ、その人に合った働き方や1日の過ごし方ができる場所が見つかれば
それでいいのかな…と、個人的には思います。
◆「A型事業所」を利用するのに必要な心構え
現在、私は就労継続支援A型事業所の職員として働いています。
(注:利用者として所属していた事業所とは別のところです)
私個人の考えですが、A型事業所の役割として
「一般就労を目指す人が、最低限の所得保障を得ながら“ステップアップの場”として
一定期間利用する場所」
「一般就労を続けていたけど、何らかの事情で継続が難しくなった方が利用する場所」
「障がい自体は軽度だが、一般就労や年金取得が難しい方が最低限の所得保障を得るために利用する場所」
の3つがあると思います。
最低限の所得保障というのは、A型事業所は基本的に最低賃金の支給が約束されているため
私の勤務先の場合、毎日休まずに利用すれば最低でも75,000円のお給料をいただくことができます。
また、半年利用を続ければ有休休暇も取得できるため、通院などで休まざるを得ない場合
安心して休むこともできます。
(注:事業所によっては有休がないところもあるらしいので、詳細は各事業所にお問い合わせください)
ただし、A型事業所を利用する最低限の条件として
「身の回りのことは自分自身でできる」
「事業所まで自力で通うことができる」
「週5日、休まずに通うことができる」
というのがあると思います。
通院などの関係で、どうしても平日に休まなければならない場合は
休むことも許されますが、上記の3点ができないと
基本的に「A型事業所の利用は難しい」という判断をされてしまうかと思います。
また、雇用契約を結んでいる以上はある程度事業所側の意向に従ってもらう必要もあるので、
ここで「福祉と経済活動のジレンマ」に陥ることがあるかと思います。
たとえば…
「適応障害の影響で、初めての場所や初対面の人、初めてのことをするのが難しい」
という人がA型事業所で働き続けるには、どうすればいいでしょうか?
誰だって初めての場所や初対面の人と一緒に仕事をするのは、大変だと思います。
でも、適応障害の人はその大変さが心や身体の症状に出てしまうほど
ストレスに感じてしまうのです。
◇本人に求められること
「初めてだからできない」という考えや態度を変えてみる。
「失敗しても死にはしない。何とかなる」と前向きに考えてみる。
「こういう配慮があれば、何とかなるかも」という提案ができる。
「1つでもいいので、成功体験を増やす」よう頑張ってみる。
「仲間の力を借りる」ことをためらわない。
◇事業所に求められること
「どんな状況だと苦しくなってしまうのか」を把握する。
「どんな対応をすれば苦しさが軽減されるか」を一緒に考え、トライする。
「その人の特性を生かせる仕事」のマッチングをする。
「何でも話せる、相談できる存在」を設定する。
「症状の奥にある生活面での問題、課題」を把握し、一緒に解決する。
「その人自身ですべきこと、事業所も一緒にかかわるべきこと」をきちんと把握する。
何となく気づかれた方もいらっしゃるかと思いますが、
実はこれ、私がA型事業所を利用していた時の課題です。
適応障害によるストレスがマックスで、新しい仕事が始まったり
新しい人が入るたびにストレスを感じて、大変なことになってました。
でも、事業所の職員さんが根気強くかかわってくれたのと
私の「精神保健福祉士」として働いてきた経験を生かし、
メンバー内リーダー的役割を作ってくれたことで、次第に落ち着くことができ
結果として、市役所への就職(相談業務を行う精神保健福祉士として)
を決めることができました。
その延長が現在に至る…というわけですが。
その人にかかわっている人すべてが、同じ支援目標を持ち
同じ方向を向いてかかわれるのが理想だと思います。
ただ、その時に支援者間でパワーゲームを繰り広げてしまっては
本人のための支援ではなくなってしまいます。
また、何でもかんでも本人の意向を最優先にしてしまうのも、どうかな?と思います。
一般就労に近い状態での支援が、A型事業所では行われるので
「仕事の指示はきちんと守る」や「仕事を最後まで遂行するための体調管理」など
自身で行ってもらわないと困ることもあります。
一般就労に限らず、社会で生活していくうえでは
自分の意向を押し通すだけでは通用しないこと、ルールを守ることの大切さも
学んでほしいと思っています。
◆おわりに
何だかんだと書いてきましたが、最終的に私が言いたいことは
「自分の強さと弱さをきちんと認識し、弱さを強さに変えるために必要なヘルプを求められる勇気」を
身につけてもらうことが、A型事業所を含めた就労支援施設の役割なのかな?と思います。
あと、あいさつや返事、手洗い・うがいなどのマナーをぜひ身につけてください。
これから施設の利用を考えてる方、施設を利用してるけどイマイチ馴染めない…という方の
参考になれば幸いです(*'▽')